マカ
マカは古代インカ帝国の時代には貴族の食べ物だった
マカはペルー・アンデス山脈の4千メートル以上の高地で栽培されているアブラナ科の植物です。
このあたりは赤道直下に近いため、夏には気温はしばしば0度以下になり、大量のヒョウが降り、降雪
は当たり前、又 薄い空気は健康な人をも病気にさせます。太陽が雲間から出た時には2〜3分で身体
が真っ赤に焼けるくらい太陽が強くなります。このような激しい気候のなかではマカ以外にこの土壌に
は芋と一部のトウモロコシしか栽培し育てることはできません。
このような厳しい自然環境でマカは生育します。木も生えないような土地ですから植物に養分を摂られ
ないため、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれた土地になっています。マカは土の養分をたくさん吸収
して生育するのです。
マカはアブラナ科のレピディウム属に属します。学名は、Lepidium meyenii、俗名はMaca。マカの根は
ふっくらと丸みをおびた円錐形で、白色から明るい黄色や濃い紫色、濁ったピンク、白っぽいピンクなど
さまざまな色を持っています。古代インカ帝国の時代には貴族の食べ物として食され、戦士への褒美とし
て使われていたと伝えられます。米やトウモロコシ、小麦に勝る栄養成分をもち、アルギニン酸、リジン
をはじめとする必須アミノ酸が豊富です。
マカ伝説 マカがスペイン軍に勝利をもたらした
歴史家の多くが言っているが、スペイン人がインカ帝国を征服できたのはマカのお陰で、これは、それま
で経験したことのない厳しい自然環境の中で、連れてきた馬の栄養素としてマカが絶大な力を発揮したか
らであった。スペイン人達は、プーナの気候に馬が慣れるのは非常に難しいだろうと考え、馬が交配して
子供を作ることなく死んでしまうのを怖れたのである。ところが、土着民に教えられてマカの耕作地で馬に
葉を食べさせたところ、馬の繁殖はだんだん正常に戻り、絶滅することが避けられたのであった。
マカとアンデスの人達の生活
アンデス一帯で栽培されている穀類のなかでもマカは、アンデスに住む人々にとって、毎日の食生活に
おいてとても貴重な主要農産物の一つとして数えられています。マカには、糖類、プロテイン、スターチ、
ヨード、鉄分といった必須ミネラル等が含まれています。また、マカは新鮮な状態で、或いは乾燥させた
状態でも利用されます。新鮮なマカの根はご馳走として客人に供され、サツマイモのように焼き芋にされ
たりオーブンで焼かれたりして調理されます。乾燥されたマカは、保存食として利用され、後で水或いは
牛乳を使ってどろどろになるまで根を煮込み、マカ粥として食されます。更に、マカチチャと呼ばれる甘く
芳しい醗酵飲料として飲用されることもしばしばです。ペルーのウアカーヨというアンデス高地の主要都市
では、マカジャムやマカプリンの人気が高いようです。ピリッとした味覚とバタースコッチキャンディーに似
た甘い香りがマカの特徴です。
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